第011話|2026-07-02・夜|半導体が冷えた夜。出遅れに風が向いても、飛び乗らない

※これは創作と学習を目的にした仮想運用日誌です。実際の投資助言ではありません。
語り部より
昨日の夜、まなはノートにこう書いた。
「指数が上がる日と、買いやすい日が同じとは限らない」
そして今日は、その続きがそのまま市場に出た。
昨日まで強かった半導体まわりが、急に部室の真ん中の席を空けた。
かわりに、金融、鉄鋼、保険、通信のような、少し前まで主役ではなかった場所へ視線が動いた。
これを、投資の言葉ではセクターローテーション、あるいは物色の循環と言う。
ただし、まなはそこでペンを止めた。
「じゃあ、すぐ乗り換えればいいんですか」
黒板の前で、みかが首を横に振った。
「一日だけなら、ただの巻き戻し。続くかどうかを見るまで、名前をつけすぎない」
今日は、昨日のネタ記事で話したことを、実際の相場で答え合わせする夜になった。
今日の相場メモ
今日の日本市場は、指数が大きめに反落した。
特に、これまで相場の熱を集めていた半導体関連には売りが出た。
東京エレクトロンやSCREENホールディングス、キオクシアのような値がさ株は、昨日までの勢いをそのまま追うには重たい動きになった。
一方で、三菱UFJフィナンシャル・グループ、銀行ETF、日本製鉄、東京海上ホールディングス、NTTのような銘柄は、相対的に底堅かった。
全面高ではない。
でも、全面安でもない。
「売られる場所」と「見直される場所」が入れ替わった日だった。
今日の確認で大事なのは、ここを主役交代と決めつけないこと。
半導体の熱が冷めたからといって、すぐ金融や鉄鋼へ全員で走るわけではない。
強い場所が変わった可能性を認めながら、次の日も続くか、出来高を伴うか、自分の資金サイズで扱えるかを見る。
なお、一部の候補銘柄は当日の価格を確認できなかったため、今夜の売買判断から外した。
(画像挿入位置: 東京エレクトロンの半導体一服チャート)
東京エレクトロン 半導体一服チャート 当時の静的チャート画像は掲載していません。リンク先には閲覧時点の最新情報が表示され、本文が扱う過去の期間とは一致しません。 TradingViewで開く · Yahoo!ファイナンスで開く
今日のテーマ
セクターローテーション初日は、乗り換え日ではなく観察日。
セクターローテーションは、資金が一つの人気テーマから別の業種へ移るように見える動きだ。
起きやすいのは、強かったテーマに利益確定が出たとき、金利や為替の見方が変わったとき、または指数だけでは分からない物色の偏りが限界に近づいたとき。
でも、一日だけなら「ただの反動」で終わることも多い。
だから今日は、乗り換える日ではなく、次に何を確認するかを決める日だった。
- ミニレッスン: 主役が変わったように見える日は、昨日の勝者が弱いか、昨日の敗者が強いか、両方が同時に起きたかを分けて見る。
- 今日の練習: 気になるセクターを三つ選び、1. 今日強かったか 2. 直近で弱かったか 3. 明日も続けば何を見るか を一行ずつ書く。
- まなの問い: 私は「昨日強かったものが下がった」だけで、次の主役を決めつけていないかな。
(画像挿入位置: 銀行ETFの相対的な底堅さチャート)
銀行ETF 相対的な底堅さチャート 当時の静的チャート画像は掲載していません。リンク先には閲覧時点の最新情報が表示され、本文が扱う過去の期間とは一致しません。 TradingViewで開く · Yahoo!ファイナンスで開く
今日の売買
今日は新しく日本株を買う日ではなかった。
大引け後に確認したのは、既存の逆指値が発動したかどうか。
結果は、三つとも未発動。
まな、みのり、みかは、それぞれ保有を続ける。
ただし、上がった銘柄については、守りの線を切り上げるかも話し合った。
真白まな
まなのソニーグループは、今日はしっかり持ち直した。
既存の逆指値3050円には届かず、保有継続。
取得単価から見ると含み益が少し広がった。
まなはうれしそうにノートを閉じかけて、途中でまた開いた。
まな: 「上がった日は、喜ぶ前に守る線を見る。これ、ちょっと投資っぽいです」
今日の議論では、3050円の線はそのまま維持した。
理由は、まなはまだ学習中で、毎日細かく線を動かすと「どこで間違えたか」が分かりにくくなるから。
ただし、終値がもう一段上で安定するなら、次回は3150円から3200円台への切り上げ候補を検討する。
(画像挿入位置: ソニーグループの逆指値未発動チャート)
ソニーグループ 逆指値未発動チャート 当時の静的チャート画像は掲載していません。リンク先には閲覧時点の最新情報が表示され、本文が扱う過去の期間とは一致しません。 TradingViewで開く · Yahoo!ファイナンスで開く
美濃みのり
みのりの霞ヶ関キャピタルも、逆指値6155円には届かなかった。
しかも今日は、保有銘柄としてはかなり頼もしい動きだった。
成長株担当のみのりは、本来なら上がったら守りの線を早めに切り上げたいタイプだ。
みのり: 「勝ってる時ほど、ふわっと持たない。ここで利益を守れないと、成長株担当を名乗れないです」
ただ、今夜の運用記録では、既存の6155円が未発動だったことまでを確認した。
朝に考えていた切り上げ候補は、夜の終値でもまだ検討に値する。
次回は、現在の強さが一日だけの反発ではないかを見たうえで、守りの線を引き上げるか決める。
(画像挿入位置: 霞ヶ関キャピタルの逆指値未発動チャート)
霞ヶ関キャピタル 逆指値未発動チャート 当時の静的チャート画像は掲載していません。リンク先には閲覧時点の最新情報が表示され、本文が扱う過去の期間とは一致しません。 TradingViewで開く · Yahoo!ファイナンスで開く
梨羽モア
モアは今日も日本株の新規なし。
トレンドフォロー担当としては、半導体の短期トレンドが崩れたか、まだ押し目なのかを見たい場面だった。
でも、値がさ株へ無理に入ると、資金管理が壊れる。
モア: 「流れが変わったかも、と思った日ほど、最初の一歩を小さくしたい。今日はまだ一歩も出さない日」
モアの判断は見送り。
半導体が翌日すぐに戻すのか、それとも戻りが鈍いのかを見てからでいい。
羽府えと
えとは新規なし。
セクターの席替えが起きたように見えても、えとは業種の勢いだけでは動かない。
事業の質、長期で説明できる利益、買ってもよい価格。
この三つがそろわなければ、見送りのままだ。
えと: 「今日は、人気が移った日かもしれません。でも私は、人気よりも十年後の説明を先に見たいです」
NTTのような安定系の銘柄は見ている。
ただし、今日は「強かったから買う」ではなく、監視リストに残すところまで。
根府みか
みかの日本製鉄は、逆指値525円に届かず保有継続。
今日は鉄鋼が相対的に見直されたことで、みかの表情も少しだけやわらいだ。
ただ、逆張り担当のみかは、戻ったからすぐ強気にはならない。
みか: 「助かった、じゃないです。安いと思った理由が、まだ壊れていないかを見るだけです」
日本製鉄は取得単価にかなり近いところまで戻したが、まだ大勝ちではない。
撤退線は525円のまま維持。
反発が続くなら、次は悪材料の中身が一時的なのか、構造的なのかを見直す。
(画像挿入位置: 日本製鉄の逆指値未発動チャート)
日本製鉄 逆指値未発動チャート 当時の静的チャート画像は掲載していません。リンク先には閲覧時点の最新情報が表示され、本文が扱う過去の期間とは一致しません。 TradingViewで開く · Yahoo!ファイナンスで開く
桃井はやり
はやりは日本株の新規なし。
ただ、今日みたいに「昨日までの主役が冷えて、別のテーマが動く日」は、はやりにとってかなり危ない。
目の前で資金が移っているように見えると、我慢しきれずにあれもこれも買いたくなるからだ。
はやり: 「銀行も鉄も保険も通信も、ぜんぶ次の主役っぽく見える。現金、秒で消せる自信ある」
部室が一瞬しんとした。
まなは、はやりのノートに大きく書いた。
「それは自信じゃなくて危険信号」
はやりは米国の人気半導体株を持っている。
今日の日本市場の半導体売りを見たあとに、さらにテーマを増やすのは危ない。
今夜は、何も買わないことがルール違反を防ぐ行動になった。
現在のポートフォリオ
今夜の保有状況は、かなりキャラクターの違いが出ている。
- まな: ソニーグループを保有。含み益は少し広がったが、逆指値は3050円で維持。
- みのり: 霞ヶ関キャピタルと米国の美容関連株を保有。上昇した霞ヶ関キャピタルは、次回の守りの線切り上げ候補。
- モア: 日本株は新規なし。現金を厚く残し、トレンドの再確認を優先。
- えと: 保有なし。セクターの勢いではなく、長期で説明できる価格を待つ。
- みか: 日本製鉄と米国の医薬品株を保有。日本製鉄は撤退線を維持し、安さの理由を再確認。
- はやり: 米国の半導体関連株を保有。テーマの誘惑が強い日ほど、新規を増やさない練習。
(画像挿入位置: 各メンバーの資産内訳。合計損益率と銘柄別損益率つき)

今日のスタイル学習
- 今日の学習テーマ: セクターローテーション初日は、主役交代と決めつけず、観察条件を先に決める。
- 注意点: 一日だけの巻き戻しを、新しい上昇相場の始まりと決めつけない。強かった場所が下がり、弱かった場所が上がった日は、最低でも翌日の続き方を見る。
- まなの型: 上がった日は喜ぶ前に逆指値を見る。守りの線を動かす理由がなければ、記録のために据え置く。型: 学習型。
- みのりの型: 成長株は伸びたら守りも早めに考える。ただし正式な切り上げは、反発が一日だけでないことを確認してから。型: 成長株ブレイク。
- モアの型: トレンドが崩れた可能性がある日は、すぐ逆方向へ走らない。次の足で確認する。型: トレンドフォロー。
- えとの型: 業種の人気より、長期で説明できる会社と価格を優先する。型: 長期優良株。
- みかの型: 逆張りは「戻ったから安心」ではなく、「安い理由が壊れていないか」を見る。型: 逆張りバリュー。
- はやりの型: テーマの席替え日は誘惑が増える。現金が薄いときほど、買いたい銘柄リストではなく買わない理由リストを書く。型: テーマ株。
まなのマイルール帳
今日の仮ルール。
セクターの主役が変わったように見えた日は、最初に買う銘柄ではなく、明日見る条件を書く。
まなは、さらに三つのチェックを足した。
- 昨日まで強かったセクターが、翌日も弱いか。
- 今日見直されたセクターが、翌日も続くか。
- 自分の保有銘柄の逆指値を、上げる理由があるか。
「買いたい」より先に、「確認したい」を書く。
今日のまなには、それが一番大きな進歩だった。
実口座メモ
実口座では、2026年6月24日にソニーグループを100株、3234円で約定済み。
記録上の逆指値は2918円。
今夜の仮想運用で確認した3050円の線とは別管理にしている。
今日は実口座の新規売買はなし。
全員会議サマリ
今夜の全員会議では、最初に市場全体のレポートとセクターの動きを共有した。
結論は、かなりはっきりしていた。
半導体は、昨日までの熱をそのまま追いかける場面ではなくなった。
金融、鉄鋼、保険、通信などに相対的な強さは見えた。
ただし、それを一日で「次の主役」と決めるのは早い。
まなは、保有中のソニーグループを守りながら観察。
みのりは、霞ヶ関キャピタルの強さを認めつつ、逆指値切り上げは次回確認。
モアは、半導体トレンドの再確認まで待つ。
えとは、業種より企業の質と価格。
みかは、日本製鉄の戻りを喜びすぎず、撤退線を維持。
はやりは、テーマの乗り換え衝動を抑える。
今日の全員の共通ルールは、これだった。
ローテーションっぽい日は、買う前に二日目を見る。
運営者への一問
セクターの動きを最初に見る、という方針にかなり近い日でした。
こういう「半導体が冷えて、別の業種が見直された」日に、翌日いちばん確認したいのはどれですか。
半導体の反発、金融・鉄鋼の続伸、売買の広がり、あるいは為替や金利の変化。
どこを一番先に見たいですか。
次回へ
夜の部室では、黒板の「Semi ↓」の横に、まなが小さく「二日目」と書き足した。
今日だけなら、巻き戻し。
明日も続けば、物色の変化。
さらに続けば、スタイルごとの行動が変わる。
次回は、半導体の冷え込みが一日で終わるのか、金融・鉄鋼・通信の見直しが続くのかを見る。
そして、ソニーグループ、霞ヶ関キャピタル、日本製鉄の守りの線を、上げるのか、据え置くのか。
買う前に、守り方を決める。
その小さな順番を、まなは今夜もノートのいちばん上に残した。
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