AI投資部

第001話|2026-06-24・朝|AI投資部、はじめます: 2026-06-24 初回

連載の構成について
この初回は6人で始まります。第015話から、M.E.M.E.(ミームちゃん)が新メンバーとして参加します。

※これは創作と学習を目的にした仮想運用シリーズです。実際の投資助言ではありません。

放課後の空き教室に、六人分のノートPCと、まだ誰のものでもない仮想資金が置かれていた。

この連載では、女子高生たちがそれぞれ違う投資スタイルで、合計1,200万円の仮想ポートフォリオを運用していく。ひとりあたりの初期資金は200万円。保有できる銘柄は最大6つ、日本株3つ、米国株3つまで。毎日、情報アシスタントと師匠に相談し、成行、指値、逆指値を使い分けながら注文を出す。

主人公の真白まなは、投資の超初心者だ。最初は何を見ればいいのかも分からない。けれど、部室には成長株、トレンド、長期投資、逆張り、人気テーマの担当がいる。まなは彼女たちの判断を横で見ながら、少しずつ自分の型を作っていく。

メンバー紹介

メンバー担当モデル最初の姿勢
真白まな主人公・超初心者なし少額で試し、買う理由と撤退条件をノートに書く
美濃みのり成長株・モメンタムMark Minerviniまだ注目が薄い中小型成長株も狙い、損切りを先に決める
梨羽モアトレンドフォローJesse Livermore相場の流れと群集心理に乗る
羽府えと長期優良株Warren Buffett分からないものは買わない。現金も選択肢
根府みか逆張りバリューJohn Neff嫌われすぎた銘柄の反転を待つ
桃井はやり人気銘柄・テーマテーマ株投資家話題性と熱量を追い、冷めたら逃げる

最初の作戦会議

真白まな

まなは、候補リストを見て最初に固まった。ソニーグループ、トヨタ、三菱UFJ、Apple、Microsoft、NVIDIA。知っている名前は多い。でも、知っていることと買えることは違う。

白川ノート先生は、まなのノートの端に小さく書いた。

「最初の目的は、勝つことよりも、理由を言えるようになること。金額を小さくして、失敗しても学べる注文にしなさい」

まなは、事業が分かりやすく、ニュースも追いやすいソニーグループを最初の練習相手に選んだ。いきなり成行ではなく、少し下で待つ指値にする。

最初の注文

注文銘柄金額注文種別条件
買い6758.T ソニーグループ318,000円指値3,180円以下で100株買い
売り6758.T ソニーグループ保有分逆指値2,960円で損切り

まなのメモ: 「買う前に、売る場所を書く。今日はそれだけで一歩進んだ気がする」

美濃みのり

みのりは、値上がりしている銘柄のチャートだけを並べた。彼女にとって大事なのは、安さではなく強さだ。しかも見るのは大型有名株だけではない。まだ全員が注目していない中小型成長株のほうが、上に走った時の余地が大きいと考えている。

美濃師匠は画面を指して言った。

「強い株は、強い時に買う。ただし、崩れた時に逃げる場所を先に決める。損切りのない成長株投資は、ただの願望です」

みのりは霞ヶ関キャピタルを選んだ。知名度は巨大テックほど高くないが、成長期待と値動きの強さがある。高値を抜いたら買う。抜けなければ買わない。注文は逆指値の買い、そして同時に初期ストップを置く。

最初の注文

注文銘柄金額注文種別条件
買い3498.T 霞ヶ関キャピタル760,000円逆指値7,600円以上で100株買い
売り3498.T 霞ヶ関キャピタル保有分逆指値7,050円で損切り

みのりのメモ: 「買えなかったら、それはそれで正しい。強さが出た時だけ入る」

梨羽モア

モアは、部室のホワイトボードに太い矢印を描いた。上向きの矢印だ。

「相場って、正しい人が勝つんじゃなくて、流れに逆らわなかった人が生き残るんだよ」

梨羽の大叔父は、笑わずにうなずいた。

「その通り。ただし流れが反対を向いたら、君も反対を向くこと。意地はポジションを重くする」

モアはソフトバンクグループを選ぶ。大型のテーマ株で値動きも大きい。相場全体のリスク選好が続くなら乗る。だが、ピボットを抜けないなら見送る。

最初の注文

注文銘柄金額注文種別条件
買い9984.T ソフトバンクグループ660,000円逆指値6,600円以上で100株買い
売り9984.T ソフトバンクグループ保有分逆指値6,200円で撤退

モアのメモ: 「上に行くなら乗る。下に行くなら降りる。相場に説教しない」

羽府えと

えとは、他のメンバーよりもゆっくり画面を見ていた。株価より先に、会社名と事業内容を読む。

羽府のおじいさまは、湯のみを置いて言った。

「良い会社を、良い価格で。どちらかが欠けるなら、何もしないのが一番むずかしい投資です」

えとは日本株ではNTT、商社、保険を見たあと、米国株のCoca-Colaに目を止めた。派手ではない。けれど、長く残る商品とブランドがある。急いで買わず、指値で待つ。

最初の注文

注文銘柄金額注文種別条件
買いKO Coca-Cola200,000円指値78.00ドル以下で買い

えとのメモ: 「買えない日もある。むしろ、買わない理由を言える日は悪くない」

根府みか

みかは、人気のない銘柄リストを見ていた。誰も話題にしていない銘柄のほうが、彼女には少し光って見える。

根府先生は言った。

「逆張りは、下がったから買うのではありません。嫌われている理由が一時的で、価値が残っている時にだけ買うのです」

みかは武田薬品を選んだ。医薬品株は地味で、人気テーマの中心ではない。だが、配当と事業の粘りを見ながら、安くなったところを拾う余地がある。

最初の注文

注文銘柄金額注文種別条件
買い4502.T 武田薬品495,000円指値4,950円以下で100株買い
売り4502.T 武田薬品保有分逆指値4,620円で撤退

みかのメモ: 「安い理由を書く。理由が怖すぎるなら買わない」

桃井はやり

はやりは、SNSのトレンド欄とランキングを交互に見ていた。AI半導体、データセンター。人気の熱がある場所に、彼女は自然と吸い寄せられる。

桃井トレンド部長は、少し厳しい声で言った。

「人気は風です。背中を押してくれるけれど、急に止まる。乗るなら、降りる合図も決めなさい」

はやりはBroadcomを選んだ。AIインフラのテーマ性があり、米国株の話題にも乗っている。勢いを重視して成行で入り、冷めたら逃げる。

最初の注文

注文銘柄金額注文種別条件
買いAVGO Broadcom300,000円成行今日の終値近辺で買い
売りAVGO Broadcom保有分逆指値買値から約8%下で撤退

はやりのメモ: 「人気に乗る。でも、人気を信じすぎない」

今日の売買

メンバー最初の主注文注文種別リスク管理
まな6758.T を少額で買い指値買う前に損切りラインを書く
みのり3498.T が上抜けたら買い逆指値初期ストップを同時に設定
モア9984.T の流れに乗る逆指値流れが折れたら撤退
えとKO を安く待つ指値買えなくてもよい
みか4502.T を割安狙い指値安い理由が崩れたら撤退
はやりAVGO の人気に乗る成行人気離散に備えて逆指値

現在のポートフォリオ

全員、初期資金は200万円からスタートする。今日の注文が約定するまでは、保有銘柄はまだない。ここから毎日、注文結果、現金、保有銘柄、評価額を記録していく。

メンバー初期資金日本株枠米国株枠今日の状態
まな2,000,000円最大3銘柄最大3銘柄初回注文を提出
みのり2,000,000円最大3銘柄最大3銘柄ブレイク待ち
モア2,000,000円最大3銘柄最大3銘柄トレンド待ち
えと2,000,000円最大3銘柄最大3銘柄指値で待機
みか2,000,000円最大3銘柄最大3銘柄割安狙い
はやり2,000,000円最大3銘柄最大3銘柄人気テーマに参加

全員会議サマリ

初回の会議で決まったことは三つ。ひとつ目は、全員が「買う理由」と「間違えた時の行動」を残すこと。ふたつ目は、成行、指値、逆指値を性格に合わせて使い分けること。三つ目は、まなが分からないことを遠慮なく質問し、その質問を連載の学びとして残していくこと。

初日の部室は、少しだけ静かになった。注文を出しただけなのに、みんなのノートにはもう、それぞれ違う性格が出ている。

まなは最後に、自分のページの上にこう書いた。

「投資スタイルは、銘柄より先に性格が出る」

次回からは、市場が閉まったあとに注文がどうなったかを確認し、評価額、保有銘柄、反省点を日誌として残していく。

キーワード:#半導体#逆指値#損切り#米国株#日本株#AI

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