第007話|2026-06-27・日次|MUは逆指値で退場。週末の部室で、全員が自分の失敗と作戦を見直した。

※これは創作と学習を目的にした仮想運用日誌です。実際の投資助言ではありません。
語り部より
金曜の夜が明けて、部室には少し静かな空気が流れていた。
前回の記事では、日経平均の大幅安、キオクシアホールディングス(285A)の急落、そしてモアのソシオネクスト(6526)損切りを見た。日本株の急な風向きの変化に、まなは「下げた時に降りる方が怖い」とノートに書いた。
そして今朝は、米国株の答え合わせ。
モアが待っていたエヌビディア(NVDA)の逆指値買いは届かなかった。はやりが飛び込んだマイクロン・テクノロジー(MU)は、1135ドルの逆指値に触れて撤退した。
勝った人、負けた人、何もしなかった人。
週末の部室では、全員が一度ノートを閉じて、今週の自分の判断を見直すことになった。
今日の相場メモ
金曜の日本市場は、日経平均が69,360.88円、前日比3005.46円安、-4.15%。人気株にも売りが広がり、キオクシアホールディングス(285A)も大きく下げた。
米国株では、マイクロン・テクノロジー(MU)が高く寄ったあとに下げ、終値は1132.33ドル。はやりの逆指値1135ドルを下回ったため、2株は撤退となった。
一方で、エヌビディア(NVDA)は高値195.55ドルで、モアが置いていた201ドルの逆指値買いには届かなかった。アップル(AAPL)は前日の急落から反発したが、まなは買わずに観察だけにした。
今日の主役は、派手な新規買いではない。
「届かなかった注文」と「発動した逆指値」を、どう受け止めるかだ。
今日のテーマ
週末に、勝ち負けではなく判断を振り返る。
- ミニレッスン: 週末の振り返りでは、損益だけでなく「入る前に何を決めていたか」「守れたか」「来週も同じ条件で動けるか」を見る。
- 今日の練習: 約定、失効、損切り、保有継続を、各メンバーの投資スタイルごとに分けて読む。
- まなの問い: 損したことより、損する前に何を決めていたかを見る方が大事なのかな。
今日の売買
今朝は市場が閉まった後の判定なので、新しい注文を出す回ではない。
米国株の結果はこうなった。
- 美濃みのり: e.l.f. Beauty(ELF)の59.05ドル逆指値は発動せず。終値67.43ドル。37株を保有継続。
- 梨羽モア: エヌビディア(NVDA)の201ドル逆指値買いは、高値195.55ドルで届かず失効。買わなかった。
- 桃井はやり: Broadcom(AVGO)の352ドル逆指値は発動せず。終値365.02ドル。6株を保有継続。
- 桃井はやり: マイクロン・テクノロジー(MU)は1135ドル逆指値が発動。2株を1135ドルで撤退。
MUの撤退は、今回の朝の部室でいちばん大きな話題になった。
注意: ここに表示されるのは閲覧時点の最新チャートです。本文で扱う過去の期間とは一致しません。
はやりは、椅子に浅く座ったまま、少しだけ唇を尖らせた。
はやり: 「いま熱いよね、って思って飛び込んだのは本当。でも、逆指値まで行ったなら、そこで終わり。冷めたらすぐ確認、って自分で言ってるから。」
取得単価は1233.35ドル。撤退価格は1135ドル。2株の確定損は約3万1800円。
金額だけ見れば、取り返したくなる負けだ。
けれど、逆指値を置いていたから、損失はそこで止まった。はやりの失敗は、損切りしたことではなく、入る前に「最大でいくら失うか」を十分に見ていなかったことだった。
みのり: 「先に負け方を決める。逆指値が発動したのは悪いことじゃない。問題は、そのリスクを入る前に飲み込んでいたか。」
えと: 「損切りが機能したこと自体は正しいです。急がなくていいです。次は、買う前に価格と事業とリスクがそろっているかを見ましょう。」
モアのNVDAは、逆の教材になった。
高値195.55ドル。注文ラインは201ドル。届かなかった。
モア: 「流れが向いたら乗る。でも、向いてないなら乗らない。届かなかったなら、届かなかった。それだけ。」
注文が失効すると、買えなかった悔しさが残る。
でも、トレンドフォローでは「来ていない流れに乗ったふりをしない」ことも大事になる。モアは、成行で追いかけなかった。
今週の取引と損益
今週は、初回の仮想運用としてはかなり濃い一週間になった。
真白まな
ソニーグループ(6758)を100株保有。
取得3177円、金曜終値3199円。含み益は約2200円。週末評価額は2,002,200円で、初期資金から+2200円。
まな: 「えっと、まず理由を書きます。ソニーはまだ、買った理由を自分の言葉で説明できます。だから保有です。でも、3050円の逆指値は守ります。」
良かったところは、逆指値を置いたことで、急落の日もパニックにならなかったこと。
反省点は、「買わなかった理由」をまだ言葉にしきれていないこと。AAPLは急落から反発したが、まなは「なぜ下げて、なぜ戻したのか」を説明できないため、観察だけにした。
美濃みのり
霞ヶ関キャピタル(3498)100株と、e.l.f. Beauty(ELF)37株を保有。
霞ヶ関キャピタルは取得6620円、終値6630円で含み益約1000円。ELFは取得64.25ドル、終値67.43ドルで含み益約1万9000円。週末評価額は2,019,984円で、初期資金から+19,984円。
みのり: 「強い株だけ見る。ELFはまだ生きてる。でも買い増しは、出来高を伴って上に抜けた時だけ。」
良かったところは、強さを確認した銘柄だけ残していること。
反省点は、霞ヶ関キャピタルをすぐ買い増したくなったこと。みのりは「迷った時点で、まだ条件が足りない」と整理した。
梨羽モア
ソシオネクスト(6526)は2540円の逆指値で撤退。確定損は1万8100円、-6.65%。PLTRもすでに撤退済みで、週末時点では現金中心。
NVDAは201ドルに届かず、逆指値買いは失効。週末評価額は1,963,457円で、初期資金から-36,543円。
モア: 「相場に説教しない。ソシオネクストは風向きが変わったから降りた。NVDAは風が来なかったから乗らなかった。」
良かったところは、損切りと見送りの両方をルール通りにできたこと。
反省点は、最初のエントリーで地合いの急変を軽く見たこと。流れに乗るスタイルほど、流れが変わった時の速さを甘く見てはいけない。
羽府えと
今週は売買なし。週末評価額は2,000,000円で、初期資金から変化なし。
えと: 「現金もポジションです。何もしなかったのではなく、条件が来なかったから買わなかっただけです。」
良かったところは、急落日にも焦らず現金を守ったこと。
反省点は、読者から見ると動きが少なく見えること。えとは来週、NTT(9432)、伊藤忠商事(8001)、Visa(V)を観察し、買わない理由ももう少し丁寧に言語化する。
根府みか
日本製鉄(5401)500株と、Pfizer(PFE)176株を保有。
日本製鉄は545円で約定し、終値543.3円で含み損約850円。PFEは平均取得24.02ドル、終値24.29ドルで含み益約7800円。週末評価額は2,006,810円で、初期資金から+6810円。
みか: 「安い理由を言葉にする。日本製鉄は、嫌われすぎか当然かを見に行くためのポジション。525円を割ったら、判断が違ったと認めるわ。」
良かったところは、追いかけず指値で買ったこと。
反省点は、逆張りは「買えた後」からが本番だということ。安い理由が構造的なら、安値で買っても罠になる。
桃井はやり
MUは1135ドルで撤退。2株で確定損は約3万1800円。
AVGOは6株を保有。取得377.865ドル、終値365.02ドルで含み損約1万2500円。週末評価額は1,955,961円で、初期資金から-44,039円。
はやり: 「人気が風なら乗りたい。でも、今回は風が強すぎて、飛ばされた感じ。来週は、成行で入る前に金額と出口を先に言う。」
良かったところは、逆指値で損失を止めたこと。
反省点は、「熱いから入る」の前に、最大損失額を計算していなかったこと。はやりは来週から、新規エントリー前に「金額、出口、理由」の三つを声に出すことにした。
来週の日本株・米国株へのアクション
週末なので、ここでは実注文ではなく、月曜以降に確認する条件として決める。
- まな: ソニーグループ(6758)は保有継続。3050円逆指値を守る。月曜の新規買いはなし。AAPLは観察だけ。
- みのり: 霞ヶ関キャピタル(3498)とELFは保有継続。霞ヶ関は高値更新、ELFは出来高を伴う上抜けがあれば買い増し検討。条件がなければ何もしない。
- モア: NVDAは201ドルを明確に超えるまで追わない。半導体やAI銘柄で流れが戻った時だけ試し玉を検討。損切り位置を先に置く。
- えと: 引き続き見送り中心。NTT(9432)、伊藤忠商事(8001)、Visa(V)を観察するが、安全域がなければ買わない。
- みか: 日本製鉄(5401)とPFEは保有継続。日本製鉄は525円逆指値を守る。PFEは配当だけでなく、反転理由を確認するまで追加なし。
- はやり: AVGOは352ドル逆指値を維持。MUは再エントリーしない。NVDAやキオクシアは観察するが、荒すぎる日は追わない。
現在のポートフォリオ
週末時点の評価は、こうなった。
- まな: 2,002,200円。ソニーグループ(6758)100株。含み益約2200円。
- みのり: 2,019,984円。霞ヶ関キャピタル(3498)100株、ELF 37株。合計含み益は約2万円。
- モア: 1,963,457円。保有なし。ソシオネクスト損切り後、現金中心。
- えと: 2,000,000円。保有なし。現金のみ。
- みか: 2,006,810円。日本製鉄(5401)500株、PFE 176株。
- はやり: 1,955,961円。AVGO 6株を保有。MUは撤退済み。
数字だけ見ると、みのりが一歩リードし、はやりとモアが苦しい。
けれど、今週の学びは損益の順位だけではない。
みのりは「強い株だけ残す」を守った。モアは損切りと見送りを守った。えとは見送りを貫いた。みかは指値で待った。はやりは、痛い損切りから注文前のリスク計算を学んだ。まなは、その全部をノートに書いた。
今日のスタイル学習
真白まな
- 型: 初心者の学習型。
- 今日の学習テーマ: 買った後も、買った理由を説明できるか確認する。
- 注意点: 「分からないから何もしない」と「条件に合わないから見送る」は違う。
美濃みのり
- 型: 成長株・モメンタム。
- 今日の学習テーマ: 含み益が出ても、買い増しは強さが再確認できた時だけ。
- 注意点: 強く見える銘柄でも、出来高が伴わなければ追わない。
梨羽モア
- 型: トレンドフォロー。
- 今日の学習テーマ: 注文が届かなかった時に追いかけないことも、流れに従う判断。
- 注意点: 損切り後の再エントリーは、取り返すためではなく新しい流れが出た時だけ。
羽府えと
- 型: 長期優良株。
- 今日の学習テーマ: 現金を持つことも、意図のあるポジション。
- 注意点: 急落した株が、必ずしも割安になったとは限らない。
根府みか
- 型: 逆張りバリュー。
- 今日の学習テーマ: 安い理由を、一時的な悲観と構造的な悪化に分ける。
- 注意点: 逆張りは買えた後に、撤退条件を守れるかが本番。
桃井はやり
- 型: 人気銘柄・テーマ株。
- 今日の学習テーマ: 人気銘柄ほど、入る前に最大損失額を計算する。
- 注意点: 「熱い」は入口になるが、金額と出口がないとただの飛び乗りになる。
全員会議サマリ
週末の会議で、全員が一致したことが三つある。
一つ目。MUの損切りは、失敗ではあるが、最悪の失敗ではない。逆指値があったから損失は止まった。反省すべきは、逆指値が発動したことではなく、入る前に損失額を十分に見ていなかったこと。
二つ目。NVDAの失効は、機会損失ではなく、条件未達として扱う。モアが201ドルを待って届かなかったのは、流れがまだ来ていないという判断になる。買えなかった悔しさで成行に変えると、スタイルが崩れる。
三つ目。来週は、少し投資を緩めてもいいが、条件は緩めすぎない。現金が多いメンバーもいるため、チャンスが来れば動く。ただし、日本株は100株単位、米国株は1株単位で、金額、出口、理由を先に確認する。
最後に、まながノートにこう書いた。
まな: 「損した人が悪い、何もしない人が退屈、ではないんですね。みんな、自分の型を守れたかどうかを見ている。私も来週は、買う前に『金額、出口、理由』を書きます。」
運営者への一問
今日の部室から、サイト運営者へ一つだけ。
今週を振り返って、損切りできたことと、そもそも入らなかったことのどちらに、より価値を感じますか。
次回へ
今朝の部室は、損益の発表会ではなく、判断の棚卸しになった。
はやりはMUの損切りで、人気銘柄に飛び込む前のリスク計算を学んだ。モアは、届かなかったNVDAを追わなかった。みのりは、強い銘柄だけを残した。えとは現金を守り、みかは逆張りの出口を決め、まなはそれを全部ノートに写した。
夜の記事では、相場の値動きから少し離れて、会社自身が出している一次情報へ戻る。
ソシオネクストのように損切りした銘柄ほど、あとから資料を読む意味がある。次は、数字と文章の奥にある会社の姿を、部室のみんなで見に行く。
それでは、今日も合言葉を。
これは投資助言ではなく、放課後の仮想投資日誌。売買よりも、理由。利益よりも、再現性。次の一手は、ノートに残った言葉から。
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